タイトルはそのうち決める

艦これのおぼえがきとか実験装置とかLaTexのメモとか。

メモ 磁化から磁性原子一個あたりの磁化率に直す流れ

磁化率の実験データを整理するときに、基本的なことだがいつもこんがらがる。

 

登場する数

  • MPMSとかで測定される磁化: Mobs (emu)
    これは任意量の試料全体の磁化を表す。
    M = χH (χ:磁化率)
  • 印加磁場: H (G)
  • 測定に用いた量: w (g)
  • 対象の分子量: m (g/mol)
  • アボガドロ数: NA = 6.02×1023 (molecule/mol)
  • 一分子あたりの磁性原子の数: n (ion/molecule)
  • ボーア磁子: μB = 9.274×10-21 (erg/G)
    ボーア磁子の単位をあえて直すなら erg/G = emu/μB か。
    ※ erg/G = emu

 

 

流れ

w (g)のサンプル全体を測ったそのままの磁化のデータを、重さ(g) あたりに直して

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1 molあたりの値に直したいので、分子量mをかけて

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分子一個あたりに直したいので、アボガドロ数NAで割って

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分子の中に複数の磁性原子がある場合、その個数 n (atom/molecule)で割って、

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これをボーア磁子あたりの値に直すと、

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やっと1スピンあたりの磁化までたどり着いた。
磁化と磁化率の関係から、磁化率は

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つまり、測定した磁化を1スピンあたりの磁化率に直す際は、測った磁化に分子量をかけて、重さ(g)とアボガドロ数と磁性原子の個数とボーア磁子と印加磁場で割ればいいということである。

 

概算値用メモ

大まかな値を必要に応じてざっくり計算できるというのは学者の嗜みらしい。
ここでいうおおまかは有効数字2桁とか1桁。

今回だと 1÷(NAμB) がわかっていると便利?
1÷(NAμB) ∼1.8×10-4 ∼ 2×10-4

役に立つかはわからない数字だ。